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あつきこころでもけいをつくらん、GSプロジェクト:TEIJIの手記
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原型分割 角ダボ編

実はぶっちゃけ、最終的には金属線で軸打ちしちゃうんだから型のトラブルの元になる角ダボなんていらないと思っています(!)。

いきなり天地をひっくり返すような爆弾発言から始まりましたが、今回は分割のお話です。
パーツの割り方なんてそれこそ何パターンも存在しますが、ランに使った方法のうち代表的なものをいくつか紹介していこうと思います。今回は脚の付け根に使用した角ダボタイプに関して。他の方法は次回以降にでも。

まず僕のやり方はちょっと珍しいやり方だと思うので先に述べておくと、僕はパーツの分割にノコではなく、バーナーで熱して柔らかくし、ナイフで切断、という方法を執ります。エポは熱するとナイフがスッと入るほど柔らかくなるのでそれを利用するわけです。これがポリパテだと多少削りやすい硬さにはなるもののそこに達するまでに与える熱量が多く危険(滅茶苦茶熱い)なのと、材質が脆いので深くナイフを入れると砕けてしまうのでこのやり方には向いていません。
火加減についてですが、強めの火を遠くから当ててゆっくり加熱してやると表面を焦がさず芯まで加熱できますよ。
※火災や火傷に気を付けて、万一に備え充分な初期消火を行えるだけの水を用意しておきましょう。
この方法のメリットはとにかく切り代が少なくて済むこと。切断箇所に位置復元用の合いマークだけペンでマーキングしておけば、ノコ切断のように多くの体積を除してしまうとき位置復元に必要となるストロングバック的な治具を使う必要はほぼありません。
それではいってみましょう。

まず油性ペンで分割ラインや代表的なディテールを書き込みます。
IMG_0094.jpg
消すのが大変ですがマーキングは筆圧かけずにスッと線を引ける、油性ぺンがやりやすいです。
鉛筆やシャーペンだとツルツル滑って線が描きにくいんですよね。

そして以前紹介したバーナーで熱し
IMG_0095.jpg
ナイフを入れます。オルファのアートナイフプロ用の長刃が便利です。刃が長いので深くまで刃が入る上に通常の刃より角度が小さいので、コジッて曲線を切る事ができます。
余談ですが合いマークをマーキングし忘れたんで切断後に描いていますw

切断したら、どちらか片方の面を整面します。
IMG_0098.jpg
スやカットが入っている個所はパテで埋めてやりましょう。
フチの部分はパーツを再接合するときの手掛かりになるので削りすぎないように!

角ダボを植えます。植え込む穴は4隅をドリルで穿孔して、それを手掛かりに彫刻刀で掘ってやると楽。
IMG_0100.jpg

掘った穴と角ダボ。
角ダボの埋没部には、充填に使うパテがしっかり食いついてスッポ抜けないように画像のような傷を入れておくと安心です。
IMG_0103.jpg
角ダボはこの方法で作ったエポ板(硬くて丈夫なマジックスカルプを使っています)をノギスで寸法確認しながら角棒状に製材したもの。面の平行度は≦0.1mmくらいを目指しましょう。
プラ材でもいいんじゃと思われるでしょうが、プラを使うとラッカーシンナーを使ったパーツ洗浄や加熱ができなくなるのでエポなどの方が良いです。
写真じゃ判り難いかも知れませんが角に0.3C程のC面を設けています。

ポリパテでむにゅり。
IMG_0104.jpg

大きくはみ出た部分は硬化前にスパチュラで除去し
IMG_0105.jpg

根元の底エッジをヤスリで仕上げます。ダボの長さを削って調節しダボ先端にもC面を入れます。
IMG_0110.jpg

そしてここからフィレット処理。
今回写真のサイズを落としているのでわかりづらいかもしれませんがスポンジヤスリで角ダボのC面部分をヤスってR処理してやりました。
IMG_0112.jpg
そもそもこの角ダボというオブジェクト自体があまり型に優しいものではないので、角ダボ周りの稜角エッジ・底エッジはRを設けて型の千切れを防ぎます。
また、型製作において、ダボを抜くためだけに入れ子を製作しなければならないような方向で分割されている分割面に関しては、型の製作・運用に際する難易度を極力下げるため角ダボを配置しません(まどかではどこもかしこも角ダボでした)。今回、主要部分で角ダボ接続にしたのは、通常の二面型配置で抜くことができそうなこの分割面のみです。

今度は根元の底R。根元の外周にポリパテを置いて
IMG_0113.jpg

丸い棒で挽きます。ここではDIA1.5㎜のドリルの根元を使用。つまり0.75Rのフィレットになります。
IMG_0114.jpg

はみ出た部分はあとで削り落とすのが大変なので硬化前にこそぎ落とし、
IMG_0115.jpg

硬化後にヤスリで面粗度を整えてやれば凸側は完成。
IMG_0116.jpg

ここから、ポリパテによるスタンプで凹側を作っていきます。
離型にはメンタムを使うこともありますが、深いダボや複雑な形状をキメるときは油膜が切れて癒着したり、ウェルド(湯じわ)が生じたりするのでここではシリコン型の反転時の離型用に使っているリンレイ・ワックスブルー(小ビンに移して使っています)を使います。
乾燥を挟んで2度塗りしてやると癒着のリスクはほぼなくなります。乾燥後、筆目が気になる場合はバーナーでサッと炙ると筆目が消えます。
IMG_0118.jpg
この写真撮ったときはちょっと忘れており、この撮影後にやっているのですがダボの先端に1㎜の真鍮線を植えています。組立時の軸打ちの際、穴の位置決めが楽になるようにです。真鍮線にもワックスを塗ってやりましょうね。
ワックスの乾燥は、温冷庫や食器乾燥機(模型専用に用意した物)にブチ込んでやると時間短縮になります。

凹側の下処理。ダボが入る穴を掘ってやります。
IMG_0119.jpg
このままパテを詰めて凸側と合わせると接合面の面圧が高く余ったパテを排出しにくいのと、凹内に詰めたパテに噛んだ気泡が接合面に”ス”として現れたりするので、それらの排出孔として、ダボの底からパーツ表面に繋るエア抜き孔を穿孔してやります。

パテを詰めます。詰め方はこんなかんじ。
IMG_0122.jpg

そしてむにゅっと。分割前に入れた合いマークを頼りに位置を復元します。
IMG_0123.jpg
ポリパテがユルユルのときにむにゅっとしちゃうと、「硬化するまで持ってなきゃいけない呪い」にかかるので、反応が始まって粘度が上がり始めたころを見計らってむにゅっとしてやるといいでしょう。
大きくはみ出たパテはこそぎ落とします。

硬化後に外してやれば分割完了!
IMG_0125.jpg
今回は低収縮ポリパテを使っているのでそうでもありませんが(それでも若干ヒケます)、ポリパテには収縮する特性があり、通常この時点でガッツリヒケてダボがユルくなってるはずなので、カッチリした嵌め合いを求めるのであればこの後凹側の表面を薄く削って(ちゃんと食いつくように)、分割面をポリパテで2度ギメしてやる必要があります。

この離型に使ったワックス、実は除去が大変。ラッカーシンナーに浸してユルくしたあと、ドライブラシ用に短く切り揃えた硬めの筆でガシガシこすって除去してやります。
IMG_0127.jpg
最後に、キットを手に取った人が組み間違えないようにL・Rの刻印を掘ってやります。
僕はまず間違えないだろうというようなところにも自己満足(?)で刻印を入れています。でも、パーツが小さくて掘りにくいような箇所には掘らなかったりします。なんじゃそりゃ。

次回は多分、角ダボじゃないところの分割。角ダボ編よりは工数が少なくて楽なはず。
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この記事に対するコメント

素晴らしい技術に、目からウロコ(@▽@)
いつもべんきょーさせていただいております!
【2012/06/27 13:35】 URL | RYUGO #-[ 編集]

RYUGOさま コメントどうもありがとうございます!クセのある技ばかりで恐縮ですが、参考になれば幸いです。
【2012/07/03 00:03】 URL | TEIJI #-[ 編集]


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Author:TEIJI
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ガレージキットディーラー:GSプロジェクト
でフィギュアの原型を作ってワンダーフェスティバルやトレジャーフェスタなどのイベントに参加しています。
模型以外にもバイクのこととか書いたりします。

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(Illustrations by redjuice. Sculpture by TEIJI. Finishing by Gyopi-Maru.)


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